柳瀬嵩

一昨日13日にやなせたかし先生が亡くなられたと聞きました。


94歳ですから見事な大往生でいらっしゃった訳なんですが、やはりかなりショックです。
数ヶ月前にあった新作映画の記者会見も元気な姿で登壇されていただけに余計に。


思えば私自身が子どもの頃はそんなにアンパンマンってメジャーなキャラではなかったんですよね。
アニメ放送始まったのが私が8歳のときらしいので、その時から人気がぐんぐん上がったとしても自分はもう卒業していたはずで。
でも気が付いたら好きで今も好きで。
小さい子が一も二もなく好きなのもビックリすることだけど、大人にも長い間愛されるって凄いことだと思う。
しかも毎年、というか頻繁に新しいキャラクターも登場しているのに関わらず、それぞれがかなりしっかりした設定を持って誕生しているし。


昔はただ単純にキャラクターが可愛くて好き!っていうカンジだったんですが、その気持ちが変わったのが2008年。
その年、念願だった高知県香美市やなせたかし記念館に行ったのです。
今は仙台・横浜・名古屋・神戸にも4つのアンパンマンミュージアムが出来ていますけど、ここは他とは全く違うんです。
4つのアンパンマンミュージアムは子どもが楽しく遊べる施設として作られていますけど、香美市の施設は大人にこそ行って欲しいところだと感じました。
勿論、子どもが楽しめるような工夫も沢山なされているけれども、先生がどういう気持ちで絵を書き続けてるかっていう想いがそこかしこに詰められてて、何て言うか凄く胸打たれます。
今まで色んな美術館や博物館に行ってきたけど、泣いてしまうほど感動したのは初めてでした。


そこに訪れたからこそ、老若男女に愛される理由も分かった気がするし、私自身今まで以上に好きになりました。


そんな素敵な気持ちも生みだしてくれたやなせ先生が亡くなったのは非常に悲しいけれども、多くの作家さんがその気持ちを引き継いでまた新しい愛すべきキャラクターを生み出してくれるだろうと信じています。


ご冥福をお祈りします。